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お気に入りのアーティストのルーツを探してみよう【その3】

   

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皆さん、こんにちは☆音楽ライターのFuneこと川舩敬典です。

前回、前々回と「音楽的」「思想的」な部分でのルーツをご紹介してきましたが、今回は前回の最後で触れたように、

「ルーツからの脱却をはかっている」

という影響の受け方について考えてみたいと思います。

 よろしければ前回のコラムも参照して頂けると嬉しいです♪

  「お気に入りのアーティストのルーツを探してみよう【その2】

 「ルーツからの脱却」というと一見ネガティヴなイメージがありそうですが(笑)

勿論、そんなことはありません。

作曲をしたことがある人なら共感して頂けると思いますが、

「憧れ」

から入った音楽ほど知らず知らずのうちにルーツ元と似てきてしまって、作曲というものは日々これをどこまで許容出来るか葛藤の繰り返しです。

時には

「自分はあまりにルーツに捕らわれすぎてはいないか」

「リスナーは自分に何を求めているのだろうか」

「もっと新しいニュアンスを追求したほうがいいのではないか」

と迷った経験のあるミュージシャンの方も多いのではないでしょうか?

 今回はそんな創作者なら誰でも抱える悩みを前向きに捕らえ、かつルーツからの脱却をはかっているあるシンガーをご紹介します。

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鮮烈なデビューを飾ったポップスター

 今回紹介するのはレバノン共和国出身の男性ポップシンガーMIKA(ミーカ)です。

ミュージシャンとしては2006年にデビュー。

翌07年にシングル「Grace Kelly」がイギリスの音楽シングルチャートで1位を獲得。

続くデビューアルバム「Life In Cartoon Motion」に関しては

各国のヒットチャートで1位を総なめにするなど華々しいデビューを飾り、

当時のキャッチコピーは

「5オクターブの声域を持つクイーン、フレディ・マーキュリーの再来」

とビートルズに負けないくらいクイーンが大好きなイギリス国民から

最大限の賛辞を贈られていました。

 実際、ミーカ自身もクイーンからの多大な影響を公言しており、

 「大好きなアーティストと比べられてラッキーだよね。

称賛されているんだと思うよ。」

 と英BBCのインタビューに答えています。

僕自身も初めて彼の音楽を耳にした際はフレディによく似てるなー!と

随分驚きました 笑

確かに1stアルバムは割りと初期のQueenサウンドを

彷彿とさせる音楽に仕上がってますね。

 今でこそイギリスのポップシーンを牽引するミュージシャンとなったミーカですが、ではそんな彼の作る音楽はクイーンのフォロワーを目指していたのでしょうか?

それを知るためには彼の波乱に満ちた半生を知る必要があります。 

波乱に満ちたその半生

 ミーカは1983年、8月13日にレバノン共和国でアメリカ人の父とレバノン人の母の間に5人兄弟の3番目として生を受けました。

 

が!

 

1歳の時点でレバノン内戦が再燃、国外退去を余儀なくされ一家はフランスのパリに移住します。

ミーカが9歳の時、世界は湾岸戦争で極度の緊張状態にある時期でした。

当時、彼の父親は仕事の都合でクウェートにいたとのことですが、父親はおよそ8ヶ月もの間、実質的な人質としての生活を送ることに…。

無事解放されはしたものの、当然父は失職。

変わり果てた父親の姿にショックを隠しきれなかったとミーカは言います。

 財産の全てを失った一家は、イギリスに庇護を求め、今度はロンドンに移住することになりました。

ミーカはフランス人学校に入学。

この時にオペラ声楽を始めたことが音楽への目覚めだったそうです。

 しかし、ここで後のミーカの人生を大きく狂わす事件が起きます。

それは悲しいことに教師が主導となった苛烈ないじめでした。

このことが原因でミーカは失読症という学習障害を未だに引き摺ることになり、当時は喋ることすら出来なくなってしまいます。

学校を退学したミーカは5ヶ月もの間、何も手につかない状態に陥り、

家族とも喋らず日々を無作為にに過ごすだけ…。

そんな彼に母親は次のように告げたといいます。

 

「あなたは問題を抱えてるってわかったわ。刑務所に入るか、

自分の人生で何か素晴らしいことをするか、自分で選びなさい。

私はあなたがそれを見つける手助けをするわ。」

 

周りが彼に求めたもの

その後、数ヶ月間母親の家庭内学習を経て少しずつ喋れるようになっていったミーカはロシア人のソプラノ歌手に師事するようになり、王立音楽大学に進学。

在学中に様々な音楽の仕事をこなし、着実にキャリアを磨いていったミーカはレコード会社との契約に成功し、本格的に音楽で活動していく決意を固め大学を自主退学します。

しかし、ここで彼を待ち受けていたのは「商売としての音楽」という現実でした。

 レコード会社側がミーカに要求した事は

「売れるために他のアーティストのようになれ」

という一言。

この一言にミーカは激怒。

怒りに任せて書いた曲が後に全英1位を獲得することとなる名曲

Grace Kelly

だったのです。

曲の中でも「フレディのように歌うよ」とあるように、レコード会社側への

不信感が前面に押し出された歌詞となっています。

もっとも、実際には「King of 2step」の異名を持つクレイグ・ディヴィッドのような曲を書けと言われたみたいですが 笑

 結局、この時の仲違いが原因で契約がご破算となったミーカはグレッグ・ウェルズをプロデューサーに迎えてようやく1stアルバム

Life In Cartoon Motion

をリリースすることに成功。

前述の通り、世界中で彼の音楽は好意的に受け入れられることになります。

ルーツの先にあるもの

 世界的な成功を収めたミーカでしたが、同時に多くの人が彼に悪意なくフレディの影を追い求めてしまいました。

今でこそ大分割り切れているみたいですが、当初はこの事にとてもプレッシャーを感じたと、ミーカは繰り返しインタビューで発言しています。

 「みんなが僕とフレディ・マーキュリーを比較するんです。

でもそれって凄いプレッシャーなんです。だって彼は本当に素晴らしかったから」

「彼(フレディ)は技術的にも天才で、モンスター級のソングライターだ。

それに、信じられないくらいに心を掴むメロディーを持っている。

僕は今まで1度たりとも自分とフレディ・マーキュリーを比べたことなんてないよ。」

確かにこれはとんでもないプレッシャーでしょうね。

今や音楽界の伝説となっている人物とことあるごとに比較され続けるプレッシャーの凄さは想像に難くないでしょう。

「お願いだから比べないで~!笑」

と困ったようにインタビューに答えていたミーカが実に印象的でした。

そんな背景もあってか、ミーカの音楽はアルバムの枚数を重ねるごとに

クイーン的なサウンドから脱却していくようになります。

1stアルバムにあったブリティッシュポップテイストは徐々に薄れ、3rdアルバムではほぼ完全にエレクトロポップスへと変貌を遂げます。

アメリカ市場を視野に入れた戦略もあるんでしょうが、正直この変化には驚きました 笑

サウンド面では完全に脱クイーンに成功していると思いますね。

勿論、いままでのルーツを蔑ろにしているわけではなく

「愛」や「おとぎ話」といったクイーンから受けた影響の部分は

今でもしっかりテーマとして息づいていて、そういった根源的な部分のブレのなさは表現方法は違っても変わらず彼の素敵な魅力のひとつでしょうか。

 個人的なハイライトは過酷な幼少期の体験を

前向きに綴った「Popular Song

これはミーカに興味を持った人には是非聴いて頂きたい!

シングル版はアメリカのシンガーソングライター、アリアナ・グランデとの共作で多くの辛酸を味わってきたミーカのメンタルの強さを実感できる一曲。

PVが歌詞と真逆のことやっとるやんけwwwとツッコんではいけない 笑

5月には来日公演も決定し、6月には新譜もリリースとなるミーカ。

次はどのような音楽を聴かせてくれるのか今から楽しみです☆

最後に

 さて、全3回にわたって色々なルーツというものについて考えてみましたが、お楽しみ頂けたでしょうか?

最後の最後で今回のテーマを根底から覆す発言になりますが(爆)

必ずしも音楽を聴く際にルーツを知る必要なんてありません。

ですが、ルーツを知ることによってアーティストの人柄や

エピソードに迫れたり、友人とのコミュニケーションに役立ったりと、

音楽だけで完結しない楽しみ方というものは保証します!

ルーツミュージックと出会うことで、もしかしたら今まで聴いていた音楽の

印象がガラリと変わる、なんてこともあるかもしれませんね♪

そもそも今回のテーマを思いついたのも

LUNA SEAの「SHINE」という曲を久しぶりに聴いて

「あれ?この曲ってこんなにUKサウンドっぽかったかな?」

と思ったのがきっかけでしたし 笑

今はネット環境も発達して昔に比べれば遥かにルーツミュージックを

簡単に知ることも出来るようになりましたし、気になる音楽があれば

どんどん調べてみて欲しいですね。

きっと素敵な音楽との出会いが待ってると思いますよ。

それではまた次回のコラムでお会いしましょう☆

Bye Bye~♪

この記事を書いたライター

Fune孤高の音楽ライター
元ミュージシャン、現カメラを趣味とする音楽ライター。
音楽の可能性を日々追求中。

 - おとのいろいろ, くりえいたー系

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