mocomoco(もこもこ)┃楽しければ良いがコンセプトの情報Webマガジン

楽しければ良いがコンセプトの情報Webマガジン

往く夏、来る秋…夏の気配を残した音楽達

      2015/10/04

Pocket
LINEで送る

夕焼けイメージ

 皆さんこんにちは。音楽ライターのFuneです。

今年は冷夏かと思いきや一気に熱くなり、

熱くなったかと思えば連日の長雨で気がついたら

夏が終わっていたという

随分と変わった陽気の夏でしたね。

皆さん、素敵なひと夏の思い出は出来ましたでしょうか♪

 

着実に秋の足音がそこまで迫ってきている今日この頃。

街中が赤や黄色に染まるまであと少しといった雰囲気ですが、

日中は気温が高かったり、湿度が高くてジメジメしたりと

夏の気配はまだまだ去ってくれそうにありません。

 

ならばこそ!今回は夏の思い出を振り返る意味でも

少し涼しげなニュアンスの音楽をいくつかセレクトしてみました☆

夏といえばアゲアゲ↑↑(笑)なパーティーソング

好まれる傾向が強いですが、クールダウンや叙情的な気分に

浸れるような音楽も非常に聴いていて心地良いシーズン。

この夏から秋にかけての季節の移りかわりを

しっとりとした音楽と共に過ごしてみるのもいいんじゃないでしょうか。

それでは今回の曲紹介いってみましょ~う!

スポンサーリンク

A Bossa Eletrica

・アーティスト名 A Bossa Eletrica

・曲名       Tombo In 7/4

 

 

A Bossa Eletricaはスウェーデン出身のブラジリアンフュージョンバンド。

このTombo In 7/4は彼らデビュー作にしてWhether Report

チック・コリア率いるReturn to Foreverに参加していた

Airto Moreira(アイアート・モレイラ)のカヴァーです。

所謂サビまで聴いて頂ければわかると思いますが、

この曲はSamba De Janeiroとして有名なフレーズの原曲。

2002年にシングルとしてリリースされたこのカヴァー曲は

スウェーデン本国でも大きな話題となったそうですが、

原曲と比較してブラジリアンテイストは残しつつも

実にクールなクラブジャズテイストが満載。

Samba De Janeiroが日中の賑やかな

お祭り騒ぎを想起させるのに対して、

こちらは夕方から夜半を連想させるような

涼しげな印象、といったところでしょうか。

Airto版と比較してみるとよくわかると思いますが、

原曲に比べて少ない音数で絶妙にサウンドをまとめており、

音の作り出す質感の違いというものを強く実感出来ると思います。

同じ曲でも表現の違いでここまで空気感に違いが出るというのは

面白い現象ですね。

驚きなのはタイトルにもある通り、7拍子を主体にした

変拍子サウンドであるにも関わらず、エッジの効いた

「硬い」直線的リズムラインによって聴きづらさを感じさせない点。

メインとなるリズムラインをギターとベースで徹底的に構築しつつ、

ドラムのフレージングでリズムの表情を

付けていく手法が使われていますが、

特にドラムのフレージングメイクの心地良さは

手数が非常に多いにも関わらず、煩わしさを感じさせない

素晴らしいバランス感覚です☆

その対比として時に不穏な空気さえ漂わせる

柔らかいフルートの音色とエレクトリックピアノの空間的な音の奥行きが

曲線的なグルーヴの彩りを添えており、この2つの異なったノリが

見事にマッチした音楽と言えるでしょう。

夏の終わりをクールダウンさせてくれるような

落ち着いたテンションが心地良いオススメ曲です♪

余談ですがラテン・スパニッシュジャズ界の大御所ピアニスト

Michel Camilo(ミッシェル・カミロ)もこの曲をカヴァーしており、

こちらもピアノの鮮やかな音色による煌びやかな表現が

面白い好カヴァー。

色々なアーティストのアレンジを聴き比べて

自分のお気に入りのTombo In 7/4を是非見つけてみてくださいね♪

 

AIR

・アーティスト名 AIR

・曲名       夏の色を探しに

 

 

夏の終わりというものはなんだか少し切ないノスタルジックな

気持ちになるものですが、そんな夏から秋にかけての

郷愁的なニュアンスををポップスとして匠に表現しているのが

AIR「夏の色を探しに」です。

一般的にはSteady & Co.のセカンドシングル「春夏秋冬」

サンプリング元として有名なので、イントロの特徴的なフレーズは

耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

AIRは車谷浩司(Vo.Gt.のソロプロジェクトバンドとしての

側面が大きいためか、アルバムリリースのたびに大きく音楽性を

変えてきましたが、この時期のAIRの音楽性は

自身のキャリアの中でも最も激しいミクスチャーサウンドに

傾倒していた時期で、アルバムを通して荒々しいギターサウンドと

重たいリズムを前面に押し出したハードな表現が特徴。

そんな中でこの「夏の色を探しに」という曲は

ある意味ではこのアルバムに相応しくない異色さを持って

リスナーの耳に届けられ、その存在感は激しめの曲が多い

Flying colorsというアルバムにおいて

絶妙の清涼感を発揮しています。

イントロから一気に心を鷲掴みにされる空気の奥深さ、

アコースティックな要素を強調しつつも決して平坦にならない

編曲センスには思わず脱帽の一言。

こういったアコーステックギターを中心とした

ソングライティングにおいてチェンバロ風の音色を

アクセントとしてチョイスしている意外性も面白いですが、

ホーンセクション、ストリングスアレンジが実に上品!

繊細な世界観の演出として見事なまでに機能しており、

その空気感の演出はライヴでより一層曲に奥行きを与えています。

そして何よりサポートメンバーである

渡辺等(Ba.佐野康夫(Dr.による鉄壁のリズムメイクは

本当に素晴らしい。

アップライトベースを用いて効果的な音運びを裏方的に

聴かせる渡辺等と対照的に、やや泥臭さを強調したような

多めの手数でリズムを演出する佐野康夫との対比が

上手く噛み合っており、これもまた作曲のギミックとしては

非常に面白く曲の持つ世界観に溶け込んでいます。

このアルバム以降、AIRは極端に無駄を削ぎ落としたような

ソフトロック路線へと音楽性を変えていきますが、

この曲はコンセプト的にもその時期のテイストと合致するためか

後期のライヴでも演奏される機会の多い曲でした。

個人的には夏の終わりから秋口にかけて毎年聴きたくなる曲で、

「追憶」という言葉がピッタリ当てはまる、

実に邦楽らしい日本情緒溢れる一曲だと思っています。

 

上原ひろみ

 

 

・アーティスト名 上原ひろみ

・曲名       Summer Rain

 

 

今年の夏後半はずっと長雨で、せっかくの夏なのに

なかなか気分が晴れない、という人も多かったのではないでしょうか?

そんなアナタにお届けしたい曲が日本が誇る天才ピアニスト

上原ひろみのデビューアルバムからSummer Rain

DREAMS COME TRUE東京スカパラダイスオーケストラ

矢野顕子など著名なアーティストとのコラボレーションは勿論のこと、

ジャズピアニストでありながらロックフェスへの積極的な参加や

CMタイアップなどで耳にする機会も多いので、

名前を知ってる人も多いかと思います。

ジャンル的にはジャズやフュージョンにカテゴライズ

されることが多い上原ひろみですが、

デビュー当初からそのロック気質溢れるステージング、

ジャズという型に囚われない自由な発想、

音楽の名門、バークリー音楽院を主席で卒業するという

圧倒的な技術力に裏打ちされた高度なサウンドメイクで

様々な分野から絶賛を浴びていました。

当時のキャッチコピーは「元気の出るピアノ」

一体何人のバンドマンが

「いや(技術的に)絶望しかないんですが汗」

と、ツッコんだかわからないクオリティで華々しくデビューを飾った

1stアルバムAnother Mindはジャズアルバムとしては

異例の売り上げを記録。

今回紹介しているSummer Rainはこのアルバムに収録されています。

攻撃的かつ実験的な要素の強いこのアルバムにおいて

抜群の聴きやすさを誇り、低音から高音まで無理なく用いた

瑞々しいピアノの表現と、アルトサックスをフューチャーした

爽やかなテイストが特徴で、思わず今にも降りだしそうな

曇天の田園風景を思わせます。

ところどころ効果的にアクセントとして顔を出す

Mitch Cohn(ミッチ・コーン)のベースラインや、

降りだした雨を思わせるようなDave DiCenso(デイヴ・ディセンゾ)

シンバルワークなどバックを支えるリズムの表現も一級品。

比較的ジャズの難解さが少ない曲なので

ジャズインストが苦手、という人でも安心して

聴くことが出来る曲だと思います。

また、上原ひろみの真髄はライヴにあり、と言っても過言でないほど

ライヴが素晴らしく、スタジオテイクとは全く違ったアプローチを

楽しめますので、是非チェックしてみることをオススメします。

このSummer Rainもライヴではサックスレスによる

落ち着いた旋律回しとインプロヴィゼーション(即興演奏)

創造性を同時に味わえるコントラストが面白いですね。

雨の日のお供に是非♪

「夏」の名を関していますが、一年通して楽しめる音楽だと思います。

もしかしたら音楽と共に過ごす雨の日が

素敵なものになるかもしれませんね。

 

MINMI

・アーティスト名 MINMI

・曲名       四季ノ唄

 

 

夏の気配を残しつつも一年通して聴けるという意味でもう一曲。

こちらはTVアニメ「サムライチャンプルー」のEDテーマとして

大きな話題となったR&B、レゲエシンガーMINMIの代表曲のひとつ。

若いリスナーには湘南乃風若旦那

奥さんとしてのほうが有名でしょうか 笑

この曲、作詞、メロディの作曲はMINMIですが、

編曲は独自のジャジーなテイストで日本のクラブミュージック界に

旋風を巻き起こしたNujabesが担当しており、彼の初期作

Beat Laments The Worldという曲をリビルドした音楽となっています。

Metaphorical Music収録曲)

トラックメイクは肉厚なベースラインと軽快なリズムを強調しつつも、

ジャジーなギターフレーズ、往く季節を彷彿とさせる

空気感たっぷりのシンセサウンド、時折顔を出す涼しげなピアノや

スモーキーなサックスがアクセントとして

原曲同様の高い完成度を見せますが、やはり何より素晴らしいのは

MINMIによる日本情緒溢れる作詞でしょう。

全編日本語詞でありながらところどころ英語に聴こえるように

言葉を選んでおり、ダブルミーニングになっている遊び心も

ギミックとして面白い。

このMINMIとのコラボレーションは抜群に両者の良さを

浮き彫りにしており、クラブテイストの強かった原曲を一気に

季節感のある和風な音楽として昇華し、ポップ過ぎず、

クラブサウンド過ぎずの一風変わった「匂い」を持つ

良曲へと変貌させました。

一言で言えば四季折々の色彩の豊かさを実感出来る曲。

聴き手それぞれが経験してきた日本情緒を優しく揺り起こしてくれるような

曖昧さが心地良く、この曲を聴いて夏の強い日差しや、若草の匂い、

夕立前の空気感や秋の月夜を連想する人も多いのではないでしょうか?

これらの表現力の多彩さはデビュー当初からR&B、ダンスホールレゲエ、

ファンクなど様々なジャンルを高度に融合してきたMINMIならではの手腕。

国内外問わず人気も非常に高く、世界各国から「本当に美しい曲」と

称賛を浴びただけでなく、わりとクラブミュージックには否定的な人も

多いアニメフリークですら「この曲は別格」と肯定的な意見を

ネット上でもよく目にします。

実は歌詞も適度にサムライチャンプルー本編をなぞるような

書き方をしており、タイアップ曲でありながらアニメとの親和性も抜群。

アニメからこの曲を知って、結果MINMINujabesが大好きになった!

なんて意見もあって嬉しく思いますね♪

うーむ…恐るべし、アニメ効果…笑

上述したようにリスナーの様々な気持ちに「引っかかってくれる」音楽です。

貴方ならこの曲にどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。

 

 

King Crimson

・アーティスト名 King Crimson

・曲名       Islands

 

 

今回最後にご紹介するのはプログレッシヴロック界の重鎮、

King Crimsonの同名アルバムのタイトル曲Islands

一般的に代表作である「クリムゾンキングの宮殿」RED

「動」のクリムゾンと称されるのに対して、

こちらのアルバムは「静」のクリムゾンと呼ばれるほど

一貫して落ち着いた曲が多く、クリムゾン全史の中でも

最も叙情的なサウンドの時期です。

他のアルバムと比べてもジャズやクラシック的な表現が多いのも特徴。

「クリムゾンに夏の追想を掻きたてるような音楽が存在するのか?」

と、不思議に思われる方もいるかもしれませんが、

柔らかい日差しと潮の香りを連想するのような暖かみのある質感と

初期クリムゾンサウンドならではのどこか人間の寂しさを表現したような

美しいメロディの対比を堪能出来る良曲に仕上がっており、

思わずひとり波打ち際に立って過去に想いを馳せたくなる音楽です。

この背景としては作詞を担当したPeter Sinfield(ピート・シンフィールド)

地中海を旅行した際の気持ちを綴ったもので、

アルバム全体を通して地中海の陽気や鮮やかな美しさを思わせるような

要素が随所に散りばめられ、それらをギリシア叙事詩「オデュッセイア」の

世界観と結びつけた作品とされています。

特にこの曲の歌詞は本当に素晴らしく、言葉の美しさもさることながら、

「島=私=孤独」「波=愛」と位置づけて

「波が島から砂をさらっていく」と作中で綴り、

人間の他人を求めてしまうという逃れられぬ性を

優しく包み込むような音色に乗せて描いています。

何よりこのアルバムのみに参加しているBoz Burrell(ボズ・バレル)

切なくも暖かい、囁くような歌唱と世界観のマッチングは

筆舌に尽くしがたいほどの感動を演出しており、

コアなクリムゾンファンにも

「ボズこそクリムゾン最高のボーカリスト!」なんて声もあったりします。

そしてこの曲の歌詞を特別なものにしているエピソードとして

中心人物、ロバート・フリップ(Gt.とシンフィールドの

決定的な別れを表現しているのでは?というものが上げられます。

(ただしこの曲の詞は3rdアルバムLizardの時点で完成しており、

後からフリップが曲として完成させたもので、二人の不仲に

直接的な因果関係はない、とされている。)

強権的なリーダーシップを発揮し、日に日にバンド内で

孤立していくフリップに対して、次第に新たな提案を持たなくなる

シンフィールド…。結局お互いの類稀な才能は認めつつも

理解し合えなかった二人は袂を分かつこととなり、

結成初期から続いた二人三脚によるクリムゾンの

プロデュースはここで幕を下ろすこととなります。

実際にはファンによるこじつけでしょうが、妙に歌詞の内容が

二人の立ち居地と重なってしまい、色々と思いを巡らせてしまいますね。

フリップはシンフィールドが去る決意をした後、

どんな思いでこの曲を作曲したのでしょうか…。

音楽としてはクリムゾンらしからぬ(笑)暖かみのある曲ですので、

プログレ入門にも最適です。

その際には是非、前奏曲である

Prelude Song of the Gulls(かもめの歌)と一緒に♪

きっと波打ち際を素敵な世界に彩ってくれる音楽だと思いますよ。

 

 

最後に

さて、今回は夏の終わり、をテーマに何曲か選んでみましたが

お楽しみ頂けたでしょうか?

季節やシチュエーションによって音楽の魅力というものは

何倍も素晴らしいものになりますね。

中には季節がテーマになっていなくても

「なんだかこの曲、夏っぽいなぁ」とか

「これは絶対海で聴いたら楽しい!」なんて曲に出会った経験がある方も

いらっしゃるのでは♪

是非是非、自分なりの季節を彩る音楽を沢山探してみて下さいね☆

これからは夜も長くなりますので、「秋の夜長に聴きたい音楽集」

なんて自分で作ってみても面白いかもしれません。

生活の中に素敵な音楽があると、それだけでも楽しくなるものですよ。

それではまた次回お会いしましょう☆

Bye Bye~♪

この記事を書いたライター

Fune孤高の音楽ライター
元ミュージシャン、現カメラを趣味とする音楽ライター。
音楽の可能性を日々追求中。

 - おとのいろいろ, くりえいたー系

Sponsored link

Sponsored link

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

読むラジトップ
聴くのではない読むラジオ「読むラジ」第一回【1/3】

Pocket 皆さん、こんにちは!音楽ライターのFuneです。 本日よりついに! …

カップル写真
今だからこそ若者に聴いてほしい、一昔前の邦楽10選【その1】

Pocket 皆さん、こんにちは。 先日取材に行ったら10代の子に僕の青春時代に …

読むラジトップ
聴くのではない読むラジオ「読むラジ」第2回【2/3】

Pocket▼「読むラジ」1/3はコチラ▼聴くのではない読むラジオ「読むラジ」第 …

スタンプ画像
【えっ!?もう承認?】LINEクリエーターズスタンプ【審査報告④】

Pocket こんにちは。先週リクエストしたスタンプ40個全てがリジェクトされた …

聴くのではない読むラジオ「読むラジ」第9回【2/2】

Pocket聴くのではない読むラジオ「読むラジ」第9回【1/2】   …

読むラジトップ
聴くのではない読むラジオ「読むラジ」第5回【4/4】

Pocket▼「読むラジ」【3/4】はこちら▼聴くのではない読むラジオ「読むラジ …

スタンプ画像
【リジェクトきたっ!】LINEスタンプ審査状況の報告【その②】

Pocket 先週、LINEスンタプを腱鞘炎になりながらもリクエストしたmaru …

ライブハウス画像
アメリカやイギリスにも負けない凄い音楽大国ってどこだろう?

Pocket 皆さんこんばんは。音楽ライターのFuneこと川舩敬典です。 前回「 …

リスの画像
【告知】mocomocoは、LINEスタンプクリエーターを応援します!

Pocket こんばんは。 電波のあまり届かない場所に滞在しているmaruco. …

読むラジトップ
聴くのではない読むラジオ「読むラジ」第5回【1/4】

Pocket 皆さんこんにちは。音楽ライターのFuneです☆ 梅雨も明け、毎日暑 …