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まだまだ邦楽は終わらない!これから期待の若手バンド 10 選 その 2

      2015/10/26

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若手バンドその2

皆さんこんにちは☆音楽ライターのFuneです。

今年は冷夏か?と言われていたのに、蓋を開けてみれば

太陽神、松岡修造に両サイドから

「熱くなれよおぉぉぉぉぉおっ!!」と絶叫されているような

連日の猛暑っぷりに家を出たくなくなる今日この頃…。

熱くなるのは音楽業界だけで充分です!(マジギレ)

さて、今回はそんなこれからの音楽シーンを熱くしてくれそうな

若手ミュージシャン後半戦!

今回は前回に比べると、やや個性的な音楽を集めてみましたが、

どれも素敵な個性を持つ音楽ばかり。

この10年ほどで音楽制作を取り巻く環境は劇的に変化し

かつてはなかなか日の目を浴びづらかった音楽でも

逆にその個性を武器にリスナーにアプローチ出来る時代と

なってきました。

今まで日本では流行りづらいと思われていた音楽でも

前回冒頭で少しばかり触れたApple Musicなど

今後加速するであろう既存の販売利権から逸脱した

テクノロジーの進化によって過去に例のない

音楽ムーブメントの発展に大いに期待が持てそうです。

今はまだ個性派が前に出るにはムーブメントや

リスナーの興味が細分化しているので難しいかもしれませんが、

そのうち完全なリスナー主体の個性派ミュージシャン達による

一大音楽ムーブメントの到来なんてことも

夢じゃないかもしれません。

それではそんな音楽の在り方の過渡期の中で

ミュージシャン達がどのような個性を武器に

音楽を作り上げているのか見ていきたいと思います。

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UPLIFT SPICE

オススメ度 ★★★★

 

 

日本のインディーズシーンにおいて

無視する事の出来ないジャンルと言えば

ハードコアパンク、エモコア勢の存在でしょうか。

70年代、80年代と時代ごとに日本独自の解釈を見せ、

多くのカリスマ的存在を排出してきたこのジャンル。

特に90年代後半から00年代前半にHi-STANDARDを頂点とし、

メロコアとして受け入れられた一大ムーヴメントの存在は

邦楽史の中でも決してないがしろに出来ない大きな「文化」でした。

未だに邦楽インディーズシーンのイメージと言えば、

このジャンルを思い浮かべる人も多いのでは♪

そんなパンク方面の音楽性を継承しつつも

独自の発展性を見せたバンドがUPLIFT SPICEです。

デビュー当初は数あるガールズポップパンクバンドのひとつ、

といった印象でしたが、作品を重ねるにつれ

パンクを基調としながらも様々なジャンルからの影響を感じさせる

その音楽性は一言では言い表せない複雑なものへと変化。

しかしながら一貫性のあるエモーショナルな千織(Vo.)のボーカルと

リズムを重視した独特の言葉選びから紡がれる抑揚のあるメロディが

ライヴにおける熱を意識させつつも、聴きづらさを感じさせない

オリジナリティを発揮した音楽として洗練されていきます。

サウンド面においてもリズム的に平坦になりがちなパンク系統の

音楽でありながら様々なアイディアが盛り込まれており、

耳の肥えたリスナーも充分楽しめるアタック感の強い

サウンドメイクは確かな個性を確立。

にも関わらず、その鮮烈なまでのメロディラインとの共存は

見事なバランス感覚といえましょう。

その独自性を評価されてか、The UsedSaosinといった

海外のビックネームとの共演も果たし、

初期作では「いかにも」なメロコアサウンドに

夏の季節感と思春期の切なさを乗せた「花火の色」にはじまり、

中期以降ではオルタナティブなテイストを取り入れながらも、

音楽的に更なる奥行きを見せ、メロディの鮮やかさと

どこか退廃的な質感を両立させたJustice

「オメガリズム」といった攻撃的かつエモーショナルなサウンドへ

加速しながらも、決して海外サウンドに追従するだけではない

邦楽としての姿勢は実に好印象でした。

勢力的なライヴ活動で着実に

ファンを獲得していたバンドですが、

現在は残念ながら活動休止中。

しかし、その鮮やかなメロディと激しい熱情のコントラストは

是非一度体感して頂きたい音楽です。

Aureole

オススメ度 ★★★

 

 

Aureole(オーリオール)は森大地(Vo.Gt.を中心に結成された

和製ポストロックを基調としたバンド。

日本におけるポストロックの草分けとしては00年代中頃から

現在に至るまで様々な音楽に影響を与えた

toe(トー)の存在が真っ先に上げられますが、

彼らもtoeからの影響を感じさせる

音の空間的広がりが心地よいバンドです。

toeの商業的成功以来、ポストロック的手法は日本の音楽界でも

非常に好まれるテイストとしてミュージシャン、リスナー問わず

幅広い層に受け入れられてきましたが、Aureole最大の特徴としては

ヴィヴラフォンやグロッケン、更にはフルートまで取り入れた

音の種類の多様性でしょう。

森大地の曲線的とも比喩される歌唱やフルートで柔らかさを、

ヴィヴラフォンやピアノで凛とした幻想的な硬質さを同時に演出しており、

他のポストロックバンドとはまた違った音の縦糸と横糸が織り成すような

不思議な質感を楽しめる音楽として成立しつつも、

時にサイケデリックに、時にエレクトロニカ風にと

多様なアプローチで独自の音の響きを聴かせてくれます。

プログレ的な軽やかなフルートの調べと涼しげなヴィヴラフォンで

ファンタジックな世界を演出するLive Againや、

ミニマルなピアノフレーズをマスロック的に聴かせる

The House Of Water

そして都会的な無機質さを抜群の透明度で肉感的に表現した

Core辺りが入門編にはオススメです。

もともとポストロックには「音響派」と呼ばれる

音の響きにこだわったジャンルという側面があり、

空間的な音の広がりという意味では

近年のポストロックバンドの中でもその言葉に違わず

非常に高い完成度を誇る今までにはなかった

タイプのサウンドではないでしょうか。

先日最新アルバムSpinal Reflex

発売となったばかりのAureoleですが、

なんとそのアルバムにおけるサウンドライブラリ集

(各パートごとのフレーズ素材)を著作権フリーで

フリー配信するという、クリエイター向けの試みも行っており、

リミックスやサンプリングなど様々な楽曲製作の在り方に

挑戦しているという意味では非常にユニークな発想です。

個人的な意見ですが、今後の音楽の在り方としては

如何に「買う」「聴く」「ライヴに行く」以外の部分で音楽をリスナーと

共有するか、が鍵だと思っていましたので、この試みは実に興味深いものです。

音楽的手法だけでなく、音楽そのものの在り方に挑戦しているAureole。

今後の彼らの動向に期待せずにはいられません。

TarO JirO

オススメ度 ★★★★

 

 

皆さんはアコースティックギターデュオというと

どのような音楽を思い浮かべるでしょうか?

日本でのアコギサウンドと言えば暖かみのある

音の響きを持ち味とした弾き語り向きの楽器

というイメージが強いかと思います。

駅前でのストリートライヴで着実にファンを増やして、

やがてデビューなんて話はよく耳にする

ミュージシャンのサクセスストーリーのひとつですよね♪

今回紹介するTarO & JirOはそんな

「アコースティックギターの持ち味を生かし」

「ストリート出身」でありながら一般的な

アコースティックサウンドのイメージとは

かなり異なった音楽を聴かせてくれる兄弟ギターユニット。

元々はアコースティックギター2本と

キックドラムのみでの弾き語りというシンプルな

スタイルでストリートに立っていた二人ですが、

驚愕なのはその足元。

大型エフェクターボードにところ狭しと並べられた

エフェクターの山、山、山

確かにアコギにエフェクターを繋いで

演奏するミュージシャンはいますが、

それにしてもストリートにあれほどのエフェクターを持ち込む

「アコースティックユニット」はなかなかいないと思います 笑

しかもその立っていたストリートは日本ではなく音楽大国イギリス。

音楽の本場で研かれたどこか異国情緒を感じさせる

ソングライティングと、変化球的なサウンドメイク、

高い演奏技術を武器に各国のミュージックコンペ、

コンテストで優勝、受賞を重ね、2012年にはSteve Vai

Joe Satrianiといった最高クラスのギタリストとの共演も実現。

Cubeなどに見られるその演奏技術に裏打ちされた

リズミカルなフレーズメイクと、アコースティックギターに

歪み系のエフェクターをかけることで生まれる

通常のロックバンドにはない独特の乾いたような空気感

明らかに最近流行りのロックバンドとは一線を画する音楽として

成立しているにも関わらず、メンバー二人が

ゆずの大ファンということもあってか

音楽的には歌ものポップスサウンドとして非常に聴きやすいバランスに

整えられています。

音楽技法的に思わずニヤリとするマニアックな要素を

持ち合わせながらも、そういった部分を知らなくても

充分楽しめる音楽というものは実はとてつもなく繊細なバランスで

成り立っており、体現するにはセンスと数多くの経験が必要です。

「ペロレラ・レボリューション」をはじめ、「Once in a While」など

個人的にはここ最近の邦楽の中では抜群に

マニアックさと聴きやすさのバランスが絶妙な音楽でした☆

現在はメジャーレーベルを離れ、再びインディーズに戻ったとのこと。

今後どのような音楽に進化していくのか実に楽しみなユニットです。

asobius

・オススメ度 ★★★★

 

 

邦楽ポップスにおいてバンドスタイルというものは

時に楽器の「音」としての個性が強く出すぎてしまうため、

その「個性」の部分を敬遠してしまう人もいるのかもしれません。

これは本当に人それぞれの趣味嗜好によるところが大きいので

何が良くて何が悪いなんてことは勿論ないのですが、

楽器をやっている人ならいざ知らず、

多くのリスナーが注視する部分といえば

メロディの耳馴染みであったり、空気感の部分ではないでしょうか。

そんな中でasobiusバンドスタイルを貫きつつも

その方向性がメロディに集約されている

非常に邦楽ポップスらしいサウンドのロックバンドです。

とにかく音配置のセンスがロックバンドとは思えないほど

空間的かつポップス的。

ギターが二人いるにも関わらず、印象としては

壮大で煌びやかなシンセアレンジのほうが耳に残り、

「ロックサウンドなのになんて透明感があるんだろう!」と

思わず唸ってしまうほど楽器の音が自然で

メロディを阻害しない曲の組み立て方には思わず脱帽です。

このバンドが影響を受けている音楽として

イギリスのColdplayとアイスランドのSigur Rosの名前が

よく上げられますが、確かにメロディを最も重視し、

それをより強く印象付けるためのサウンドメイク

という意味では前者に、

壮大なシンセアレンジや美しいコーラスワークという意味では

後者の影響を感じさせ、意外に邦楽にはありそうでなかった

タイプの音楽と言えるかもしれません。

だからといって前述の2バンドの焼き増しのような音楽ではなく、

しっかり日本人好みな「邦楽」しているのがミソ♪

壮大でダイナミックなサウンドをポジティヴな言葉で綴った

珠玉の名曲discovery

北欧的な空気さえ感じさせる

煌びやかな音の配置が心地よいstarlight

より鋭角にロックとして切り込んだuniversurf辺りが

asobiusの雰囲気をつかむにはオススメでしょうか。

聴いてもらえればわかると思いますが、

とにかくポジティヴな音楽です。

この事に関してボーカルの甲斐一斗

「作品とは元々その人の中にある素晴らしさで、作品はそれを

刺激して思い出させたり、掘り起こし写す鏡のようなもの。

音楽を聴いて湧き上がってきた想いやエネルギーは

間違いなく聴いてくれたあなたのものだと自信を持って欲しい。」

と熱い言葉をリスナーに語りかけています。

貴方を感動させてくれる音楽は

貴方のどんな素敵な部分なのでしょうか。

時にはふっと考えてみるのもいいかもしれませんね♪

・ハイスイノナサ

オススメ度 ★★★★★

 

 

今回最後に紹介するのは邦楽ポストロックの元締め、

残響レコード傘下の秘蔵っ子バンド、ハイスイノナサ

耳の肥えた音楽通も唸らせるハイレベルな作曲と、

都会的な無機質さと人間らしい有機質さを兼ね備えた、

音楽としての方向性が想像出来ないような不思議な

世界観が特徴の音楽です。

あくまで「バンドとしてのサウンド」に重きを置いた曲が多く、

ボーカルがいるバンドにも関わらず、その印象はインストバンド的で

ピアノ音色を中心に組み立てられた変則的なリズムワークと

透明感のある質感を背景に、女性ボーカルの

ウィスパーボイスを添えたようなさりげなさが随所に見られ、

あくまで曲を構成するいち要素として

「声」を用いている様がうかがえます。

というのもこのバンド、どうも意図的に音楽における

メッセージ性を極端に廃しているようで、歌詞は日本語なものの

ほとんどがいい意味で印象に残らないほど

ボーカルが楽器的な使われ方をしており、

高度で個性的なサウンドメイクを含めて

世界的に見てもなかなか珍しいサウンドです。

この事にギターの照井順政

「本当に価値のあるものとは音楽ではなく、鑑賞者がみつける何か」

「安易な慰めや共感を提供するものばかりのが氾濫する

社会はつまらない」

と考えているらしく、最新作「変身」では

遂に自分たちの音楽に「中心」が無いと宣言。

リスナーと自分たちが作り上げた音楽の「何か」が結び付いて

「何か」が生まれることを願っているとコメントしています。

確かに初期作にはテーマ性のようなものは感じられるものの、

音楽としてのメッセージ性は実に希薄で

自然と空気に溶け込むようなニュアンスの曲が多く、

そういった意味では純粋に音楽として楽しむのに

適したバンドと言えるでしょう。

第一印象としては無機質なイメージを抱くかもしれませんが、

「想像の都市と子供」のような現代音楽を彷彿とさせる

暖かみのある曲や、「森と証明」のように

湿った質感の美しい曲もちゃんと用意されています。

また音楽だけではなく視覚面のアプローチもユニークで

PVも「地下鉄の動態」reflectionなど

音を視覚的に意識させるようなものが多く、

実験的な側面をもつ音楽でありながら

助長になりすぎないある種のテンポの良さのようなものを

視覚的な部分でも体感させてくれます。

前衛性の強いバンドではあるので好みは分かれるとは

思いますが、個人的に2010年前後に

聴いた邦楽の中では最大の衝撃を与えてくれたバンドでした。

作品を重ねるにつれて前衛色は強くなってきていますので

まずはアルバム「動物の身体」から聴くことをオススメします。

 

最後に

 さて、2回に渡ってお送りしてきた新進気鋭の音楽達。

お楽しみ頂けたでしょうか?

今回も皆様にとって少しでも

新しい音楽を知るきっかけになれば幸いです☆

今回は「個性」というものを中心に話を進めてきましたが、

それと同時にリスナーとの結びつきを強く意識して

音楽活動を行っているミュージシャンも多かったですね。

特にAureole、asobius、ハイスイノナサは顕著でしょうか。

前回のコラムで言えばネット媒体から誕生したヒトリエや

Chouchouもまた多くのファンとの繋がりを強く意識した

ミュージシャンといえるでしょう。

今の時代、ネットの発達によって昔よりも遥かに

ミュージシャンが身近な存在となり、

ネットを介して本人に直接「話」をすることが

出来ることも増えました。

その繋がりから生まれてくる「何か」が

いつか僕らの前に大きな姿で現れることも

あるのかもしれませんね。

色々な音楽に触れて、まずは小さな「何か」を

みつけてみるのもいいんじゃないでしょうか♪

是非、自分だけのオンリーワンを発掘してみてくださいね。

 

それではまた次回のコラムでお会いしましょう。

Bye Bye~★

この記事を書いたライター

Fune孤高の音楽ライター
元ミュージシャン、現カメラを趣味とする音楽ライター。
音楽の可能性を日々追求中。

 - おとのいろいろ, くりえいたー系

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